鹿の角を蜂が刺す

読前読後
言の葉や言霊は、正にも負にも作用する。詩も詞も含み。感動はあれど、翻弄はされなくなった。私は私。他方、引き算と掛け算ばかりの反芻、算術作用。そういう狭義な事には、興味を無くした。世界は広い。
Sat 21 Jan 2006 13:36 | comments (12) | trackbacks (0)

Eden

読前読後
昨夜、エリア・カザン監督作『エデンの東(East of eden)』を観、アダムとイヴの息子、カインとアベルから想起したのか、ユングとフロイト、『千夜一夜物語』を、ところどころ紐解いた。サガンの『悲しみよこんにちは』に迄も及びそうであったが、またの機会にと、止した。無関係ながら、ソドムとゴモラを辞書引きしたりもして。ただ、現実と"幻想の様なもの"を、対比させた気分。こういう、連想連鎖とでも称せられる作業を、私の脳は、時折やらかす。
しかしながら、終演後、アンファン・テリブルという言葉が、マーキーの如く、頭の廻りを往来した今回。ということは、次回、感想は変わるということか。
Thu 27 Oct 2005 23:30 | comments (0) | trackbacks (0)

図書館

読前読後
本を借りに出かけた。そこには片足の不自由な女の子がいて、私は彼女に、目指す書籍の置き場所を尋ねた。彼女は、私を奥の方の棚に案内してくれて、こう言った。
「ロシア文学は、この棚である!借し出しカードは、これ!ここに記載する!期間はそこに書いてあるので、読む!」
語尾にアクセントをおく口調。棚や借し出しカードを指す仕草。書籍特有の匂い。短編を一編読んだような、晴れた午後の出来事。
その後、図書館は移転し、あの好きだった匂いも変わった。

その時借りた本は、ツルゲーネフの『春の水』と『ルージン』だった。ってのも、付け加えておきましょう。
Mon 24 Oct 2005 22:49 | comments (3) | trackbacks (0)

臍の緒

読前読後
夕食後の、シネマ・タイム。北野武監督の『Dolls』に寄せて。
複数の、男と女の情愛を織りなす物語、という趣きでありながら、その実、全ては、一対のふたりの、往く旅路を描いた語りなのではなかろうか、という第一印象。男も女も、皆、血を流していた。体の内と外から。背後から殺られた男共も、何やら象徴的で。深紅の糸は、運命や宿命と呼ばれるものを、操るのか、弄ぶのか、予めの喪失か。なんて事を匂わせるメタファーも、北野武式美学というか、暴力的浪漫哉。色彩の温度が、私には、少し高い。
見聴きする側として、「私なら、その時、こう言う」などと想い、欠礼。如何ともし難く、我が身体、ここに在り。
Thu 06 Oct 2005 21:56 | comments (0) | trackbacks (0)

Yankee in Korea

読前読後
Sara Janne が、殺害された。次第に激しくなる雨音を聴きながら、私は、テレビの上のランプを点ける。朝鮮半島流儀は、長さの測定。本当の空は、深く、美しいのだ。
Wed 05 Oct 2005 23:20 | comments (0) | trackbacks (0)
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